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シャドーイングはじめました

f:id:oakbow:20150920011922j:plain なんだか冷やし中華みたいなタイトルですが。
フィリピン留学5ヶ月時点の振り返りの記事でも書きましたが、シャドーイングを始めました。
目的はリスニング力の向上です。
シャドーイングって何?という方はこちらの記事を読むと良いです。

シャドウイングとオーバーラッピングの違い、効果的な学習方法と注意点

端的に説明すると、英語の音声に半拍遅れて復唱することで、リスニングや発音やイントネーションの能力を高めることができるという学習方法です。
私はリスニング力だけに焦点を絞っているので、発音やイントネーションについては度外視しました。
ほぼカタカナ読みの英語でやっています。

シャドーイングの準備

インターネットで英語の情報を収集するようになると、シャドーイングを勧める記事を良く見かけます。
正直半信半疑で、まあそのうちやろうかな程度に考えていました。
しかしリスニング力が全体の英語力の足を引っ張っている感が少々差し迫ってきたので、満を持して開始。
とはいえ別に始めるにあたって特別な何かが必要な訳ではないです。
必要なのは英語の音声。可能であれば文章(スクリプト)付きのもの。
要件を満たすものはいろいろあると思いますが、私は VOA を使いました。 First English の授業で使ったテキストがあるし、リスニング向上のために mp3 データもダウンロードして以前から聴いていたので、そのまま流用しています。
あんまり音声が速いとしんどいかなと思ったのもあります。私が使ったのは VOASpecial English というもので、通常の 2/3 程度のスピードと言われており、まあかなり遅いので聞き取りやすいんですね。
単語もあんまり難しいのは使われていないし。
目覚ましい成長を遂げた他の生徒は TED をひたすら聴いてたようなので、そちらでも良いかもしれません。
ただ、聴くだけでなく後追いで話す必要があるので、最初からネイティブレベルのスピードはきつい気がしています。

実際にはじめてみたら

で、はじめてみたらですね。
想像するよりずっと大変。
聴く分には VOA の Special English はかなり遅くて、英会話初級の人でも初見でだいたいどんなこと言っているか分かるレベルのものです。
まあそういう目的で作られているから当たり前なんですけどね。
でも、それについてしゃべろうと思ったら何かブツブツモゴモゴ言っている状態にしかならないんですね。
傍目から見たら確実にヤバい人。
なので少なくともある程度慣れるまでは、誰にも見られない環境で始めるのをお勧めします。

なんでそうなっちゃうのかというと、いくら普通より遅いとはいえ、英語話者の話すスピードに追いつけないのがひとつ。
もうひとつは、口に出して話すためには何を言っているのか正確に聞き取らないと行けないから。
何となく意味が分かる程度に聞き取れるレベルだと、主要な単語だけしか聞き取れていないので、何も見ずに音読するのは不可能に近いんですね。
例えば実際にシャドーイングに使っている Rice Production Grows, but Not Everywhere という記事。

The United Nations is expecting the world to harvest more rice in twenty twelve than was produced last year. The UN’s Food and Agriculture Organization says the world rice harvest should rise almost two percent, mainly because of increased production in Asia. Large gains are expected for Bangladesh, Burma, China, India, Pakistan, the Philippines and Thailand.

お固い内容だけどそんなに難しい英語じゃないと思います。これをスクリプトなしで聴く場合、この辺の単語を聞き取れたらだいたいどんな話なのか見当がつくでしょう。

  • United Nations
  • harvest
  • produced
  • world
  • rice
  • rise
  • increased
  • production

あーどうやら国連が米の生産量についてなんか発表するか何かしたんだろうな、と。
でもこれを読み上げるとなると、その程度の単語を聞き取れているだけじゃ全然足りないんですね。
なのでモゴモゴ言っているだけになっちゃうんです。

シャドーイングのリスニング力の向上効果

逆に言うと、ちゃんと聞き取らないと行けないからこそリスニングに効果があるのかな、という気がしています。
特にシャドーイングすることなく、ただ VOA の音声を流して聴いているだけでもそこそこの効果を感じたりはしたんですが、シャドーイングするとなるとほんとに集中して何を言っているのか聞き取らないと行けなくなる点が大きく違います。
漫然と聴いている時よりも、細かい単語の聞き取れるようになっています。
なので話すことそのものは必ずしもそれほど重要ではないのかなと考えて、あんまりちゃんとした発音はしていません。もちろんした方が良いんだろうけど、やってるとまだまだとても追いつけないと言った方が近いかな。
VOA の音声は以前から自習している際にほぼずっと流して聴いていたんですが、シャドーイングするようになってからの方が聞き取れるようになっています。再生回数は単に流して聴いていた時の方が多いはずですけれど。

ただまあ、繰り返し聴いていれば慣れてくるのも当たり前。
以前に授業で使っていたのもあり、単純にどんなこと話しているのか単語レベルでだいぶ覚えちゃってしまってるのもあります。
英語の音声ではなく、実際に人と話してリスニングが良くなっていないと意味がありませんよね。
この記事の執筆時点ではシャドーイングを始めてから三週間程度で、たまにサボっているけどまあ三日のうち二日、一日当たり30分程度はやったかなという頻度の練習。 このくらいの練習量で、人相手にリスニング力の向上を実感しています。
フィリピン人の先生や、ネイティブ(アメリカ、イギリス、オーストラリア)の先生の話している内容が、以前より聞き取れるようになったと思います。
そんなに劇的ではありませんけどね。

シャドーイング環境

シャドーイングをどういうところでやるか、というのは意外にネックかもしれません。
自室で英語の音声を流し、後について発声するのって非常に地味な練習方法です。
特に最初はモゴモゴで、まともに後についてしゃべることができないので結構苦痛で、こんなの意味ねえよってやめちゃいそうですね。
声に出す必要があるので他人のいるところや静かにしないと行けないところでは無理がありますし、そもそも恥ずかしいですし。

同じ環境を得られる人は少ない気がしますが、私が選んだのは通っている語学学校、Genius のジム。
幸いなことに使っている人があまりおらず、毎日使っても誰にも会わない日の方が多いレベル。
会うことがあってもたいてい日本人ではないので、あまり傍からの見た目を気にせずにシャドーイングすることができました。
「あいつ何ブツブツいってるんだろ」って思われていたと思いますが。。。
トレッドミルで毎日30分ウォーキングすることを日課にし、その間にスマホを使ってシャドーイング
VOA の音声はひとつの記事がだいたい5分弱なので、一回当たりだいたい7本の読み上げ。
First English の VOA の授業で使っていた Beginner レベルと Intermediate レベルの記事それぞれ12本ずつをスマホに入れて使っているので、かなり繰り返し聴いていることになりますね。
しゃべりながらだと単にウォーキングする場合に比べてはるかに疲れるので、運動面でも悪くなかったかもしれません。
慣れると平気になりましたが、最初は結構息切れしてましたしね。
日本に帰国したら同じことができなくなるので、どうやって継続するのかが悩みどころです。
近所をブツブツ言いながらウォーキングしようかな。。。ちょっと恥ずかしいけど。

シャドーイングのやり方についての注意点

↑に紹介したサイトにやり方書いてあるのでそれを読めば良いといえばいいのですが。

シャドウイングとオーバーラッピングの違い、効果的な学習方法と注意点

特にこのあたりが重要かな?と思います。

  • スクリプトを見ない(必須)
  • 自分の声がかき消されるくらい大きい音声で再生する
  • ヘッドホンを使う(人による)
  • 十分に読み上げスピードの遅い音声を使う
  • ネイティブの音声を使う

シャドーイングのやり方でたまにスクリプトを読みながらやる、と説明されていることがあるのですが、これは多分間違い。
前述したように、十分に集中して何を言っているのか聞き取ることに意味があるからです。スクリプトを見てしまうとちゃんと音声聴かずに音読しちゃうから、シャドーイングの意味がなくなっちゃいます。
あと、やると分かりますが自分の声で音声が聞き取りづらくなるので、割と大きな音量で再生する必要があります。
自室だったり私のようにトレッドミルでやる分には大丈夫だと思いますが、屋外でのウォーキングやジョギングやりながらだと、注意が必要です。
ヘッドホンが必要かどうかは人によると思いますが、音声を聞き取るためにはインナーフォンの類いでは不足する人もいるかもしれません。
私はインナーフォンをあまり使えない(静止した状態で手で押さえていないと耳から落ちちゃうんです)ので、ヘッドホンを使ってやっています。
自分の声でかき消されないためにも密閉型のヘッドホンは悪くない選択かもしれません。ノイズキャンセリングタイプだとなお良いかも。
わざわざそのために買うほどじゃないと思いますが。
最後は実際にやってみると実感してもらえると思いますが、ほんっとにかなり遅くないと最初は全然ついていけないんですよね。
音声スピードを遅らせられる再生装置を持っているなら、それで調整しても良いと思いますけれど。
意外にスピードの遅い音声って見つけにくいと思うので、特に当てがないなら私と同じく VOA を使った方が良いと思います。
アメリカのプロのアナウンサーその他が話しているので、人による発音の違いがそんなに大きくない(英語はネイティブでも結構人によって発音違うんですよ。不思議ですね)し、基本的にお手本レベルの奇麗な発音やイントネーションですしね。

ちなみに私が使っているヘッドホンはこれ。

Amazon.co.jp: SONY 密閉型ヘッドホン ハイレゾ音源対応 リモコン・マイク付 ブラック MDR-1A/B: 家電・カメラ
SONY 密閉型ヘッドホン ハイレゾ音源対応 リモコン・マイク付 ブラック MDR-1A/B

ノイズキャンセリングタイプが欲しくていろいろ視聴していたんですが、同価格帯のノイズキャンセリングタイプより音が良い気がしてこれを選びました。
他にもいいなと思ったものはいくつかあったんですが、これが一番コスパが良い気がして。YAMAHA のヘッドホンに気になったのがあったけど高かったし。
フィリピンは暑い国ですが、日中屋外で使用したりはしないので特に蒸れたりとかはないです。
語学留学にあまり高価なものは持参しない方がほんとはいいんですけどね。

シャドーイングがきつい人には

↑の紹介記事にも書いてありますが、シャドーイングって結構きついです。
いきなり最初からこれをやるんではなく、普通に読み上げから始めた方が良い気もします。
オーバーラッピングなんていうちょっとかっこいい名前で紹介されていますが、まあ普通の読み上げですね。英語音声と同時にテキストを見ながら読み上げをやるだけ。
中高生時代に英語の授業でみんなやったことあると思います。
でもこれだって最初はブツブツモゴモゴになりかねないので、こっちでがんばってある程度慣れてからシャドーイングに挑戦するのも良いと思います。
無理する必要なんてありませんしね。

私が使った英語音声

使ったのは VOA です。

VOA learning english に当たるのかな。
公式ではなぜかリンク切れが多いのですが、以下の音声を使っています。

  • A Cool Way to Keep Food From Spoiling
  • Remembering Whitney Houston
  • What is the Relationship Between Age and Happiness?
  • Religion Gets Largest Share of Charity in US
  • Words and Their Stories: Like a Rolling Stone
  • Rice Production Grows, but Not Everywhere
  • SpaceX is Doing Business in Space
  • Delay Pregnancy After a Miscarriage?
  • A Comic Book About Business Finance
  • Words and Their Stories: Colorful Expressions
  • US Takes Action Against Cyber Theft Threat
  • What Is Next for the Future of Cars?
  • Words and Their Stories: Grapevine
  • Words and Their Stories: The Cold, Hard Truth
  • Words and Their Stories: Proverbs, Part 1
  • Saving Money for College
  • Words and Their Stories: Computer Terms
  • Words and Their Stories: Apple Pie
  • Friends With Benefits, in the Plant World
  • Words and Their Stories: Easy as Falling Off a Log
  • Words and Their Stories: Fireworks
  • Keeping Your Head Above Water
  • Quit Buggin' ME
  • Rx: Why It Means "Take Your Medicine"

公式の検索機能を使うより、普通に google で検索した方が見つかりやすいという。。。
非公式のアーカイブサイトの こちら の方が有用かもしれません。よく整理されているし。
公式は公式で結構すごいんですけどね。全部の記事じゃないけど、単語にマウスカーソル重ねると「?」アイコンに変わって、英英辞書引けるようになってたりするし。
記事によって音声やテキストPDFの配信方法がバラバラなので、この辺統一してまとめてダウンロードしやすくしてくれると非常に助かるんですがね。。。

私はすでにテキストがあるのでこれらの音声データを利用しましたが、これから始める人はこれにこだわらなくても良いと思います。
でも、いずれにしろ VOA は結構おすすめです。

ただ、スピーカーによるのか初心者向けのはずのこの VOA Special English でも、なぜか話すスピードは結構まちまちです。
一個目の A Cool Way to Keep Food From Spoiling はゆっくりなのに、なぜか二個目の Remembering Whitney Houston ではそこそこのペースになります。あくまで初心者向けとしては、ですが。
Words and Their Stories と銘打たれたシリーズは全般的にゆっくりな気がするので、このタイプを重点的に集めて使うのも良いかもしれません。
まあついいろいろと贅沢を言ってしまいますが、VOA は初級の長文読解の訓練にも良いです。
記事を読み、分からない表現を辞書で調べてノートに書き留め、音声に併せて音読するという英語の授業でやるような使い方にもとても向いています。
話題も多岐に渡っていて、「へぇ〜」とちょっと感心させられるようなものが多いですね。

シャドーイングに使う音声が24個ではちょっと少ない(一回30分だと二回でほぼ一周するペース)ので、そのうち倍くらいに増やそうかな、と思います。
シャドーイングはしばらく続けるつもりなので、一定期間をおいてまた振り返りの記事を書きたいと思います。