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フィリピン留学前には英文法を勉強しておこう

f:id:oakbow:20150802213328j:plain フィリピン留学も3ヶ月を超えました。 今にして思えば留学前の準備はいろいろ不足していました。
今回はそのうち、英文法の話。
なお、基本的に初級向け、TOEIC でいえば 500 以下の人向けです。

英文法の勉強をやる

フィリピンに来る前は、いろんなフィリピン留学サイトやブログで情報収集をしていました。その際にほとんどのサイトで「ひとつでも多くの単語を覚えるべく勉強する」と書いてあったように思います。
理由は、留学期間を少しでも無駄にしないために、事前に一人でできる勉強はやっておくべき、というものです。

理由自体には賛成なのですが、個人的には単語の勉強より英文法の勉強を優先した方がいいんじゃないかな?と思いました。
これは私自身の経験もそうですし、周囲の他の生徒に聞いた話を総合してもどうやらそんな感じでした。
これは多分留学する人の英語レベルにも左右されるのですが、初級以下、TOEIC で言えば 500 点以下くらいでしょうか。

このくらいのレベルだと、そもそも日本の中学校の英語の文法をきちんと習得できていないか、忘れてしまっています。
で、初級の英会話だと中学英語の英文法を超えることはほとんどないと思います。
結構聞きますよね?中学英語で十分なんだ、って。
英文法に限定して言えばこの話はとても正しいと思います。

英文法が分からないとどうなるの?

会話で英文法をまともに使えないと、ひたすら単語の羅列で会話をすることになります。
海外旅行なら多分、最小限の動詞(wantとかbuyとか)と代名詞(Iとかthisとかthat)と、あとは please と How much? と度胸で乗り切れると思います。
でも例えば、あれとあれも買うから安くしてよと値切ってみたり、レストランで今日のお勧めの料理やお酒を聞いたり、通行人にバスや地下鉄を使った目的地への行き方を聞いたり、ってことになるとなかなか難しくなるんじゃないでしょうか。
英語話者と会話を楽しみたいと考えているなら、最低限(=中学英語)の英文法はなかなか避けて通れないと思います。
逆に、海外旅行で必要最低限の英会話を身につけたいって場合は、留学する必要はあまりない気もします。
電子辞書片手に、物怖じせずどんどん話していけばなんとかなりそうです。

英文法が分かるとどうなるの?

英会話の習得にかかる時間を短縮することができ、効率的に勉強することができます。
留学してて思うんですが、中学英語の英文法と高校までの英単語の使用頻度ってかなり高いんですよ。
なので英文法あらかじめやっているかどうかはすごく影響するんです。
また、先生たちは生徒と会話しながら、表現上の間違いを文法的にどんどん指摘してきます。
この指摘内容を理解して改善するためには、そもそも中学英語程度の英文法能力がないと結構きついんですね。
当たり前の話ですが、先生たちは英語で英文法の説明をしてくるので、それを理解するための英語力が必要で、でもそれがないから留学してるんだよね、という、缶詰の中の缶切りのような状態に陥ります。
英単語の場合、どれだけがんばっても知らない単語は出てくるものですし、その場で意味を尋ねたり辞書を引けばすみます。
でも知らない英文法の場合はそうもいかず、結構な授業を無駄に過ごしてしまうことになりかねないんですよね。

例を挙げるとすれば、例えば時制の一致。

  He said that he wanted to hire an assistant.

that の前が主節で、後ろが従属節。
主節の時制に従属節も従っているので時制の一致というんですが、これ、まるで知らずに英語で説明されてもなかなか分かんないと思うんですよね。なんかそういうもんらしい、というニュアンスくらいは伝わると思いますが、下記サイトみたいな解説内容を英語できちんと理解するのはちょっと難しいでしょう。

このように、英語では主節の動詞の時制が過去になれば、多少の例外はありますが従属節の動詞もその支配を受けて過去の方向に変わっていきます。これが冒頭で述べた「時制の一致」で、「話法」をはじめ、英語の複文において主節と従属節の時制に関する通則となっています。
第26章 時制の一致

そんなに難しい理屈ではないので、日本語での説明だったら、たいていの人は理解できると思います。
でも当然先生は日本語しゃべれないので、英語で説明してくる訳でして。先生が何言っているのかまるで分からない状態だと英語力を上げるのはかなり難しいです。
でも英文法の知識がすでにあるのであれば、「あ、これってもしかしてこういうこと言っているのかな?」と先生の言いたいことがだいたい理解できるようになります。

実際には時制の一致程度であれば間違えたところですんなり通じますが、それにも限度があるので、意思の疎通をスムーズにやるためにはできるだけ正しい文法を使える必要がある訳です。
そして英文法そのものは、日本語の分かりやすいテキストなりがあれば独学で学ぶことが出来ます。きちんと習得済みの人に解説してもらえるならそれが一番ですが、それが無理でも日本語のテキストで勉強するだけでもかなり違います。

あとこれは英語に限った話じゃないと思いますが、勉強ってある程度習得していれば習得しているほど学習効率が高くなって、同じ授業を受けていても理解や上達の差がぐんぐん広がるんですね。
下地があるかどうかって結構重要です。

押さえておいた方がたぶん効率がいい英文法

じゃ、具体的にどの辺を押さえておくべきでしょうか。
中学英語と言っても中学三年の英語は結構難しいです。
まずは中学一年〜二年の英文法を押さえておくといいと思います。
余裕があれば中学三年生のも。

中学二年生までの英文法というと非常に簡単な気がしてきますが。。。
特に英語の勉強をしていない社会人の場合、下に挙げるような英文法、きちんと覚えてるって人は少数派だと思います。

  • 品詞
  • 名詞、代名詞、動詞、形容詞、副詞、接続詞、前置詞、疑問詞
  • 五文型
  • S + V
  • S + V + O
  • S + V + C
  • S + V + O + O
  • S + V + O + C
  • 時制
  • 現在形、過去形、未来形および各進行形
  • 受け身
  • 疑問詞
  • what, who, whose where, when, how
  • 形式主語(it)
  • 不定詞
  • to + 動詞
  • 比較
  • 原型、比較級、最上級、more、most、as~as
  • 分詞
  • 動詞 + ~ing
  • 現在完了
  • have + 過去分詞

別に完全にマスターしなくてもいいんです。
中学生時代に結構がんばってた覚えがあるなら、ひととおり流す程度に復習すればかなり思い出すと思います。
当時がんばっていなかった覚えがあるなら、今がんばりましょう。
3ヶ月留学した実感としては英語に近道はないので、過去か現在にがんばるしかないです。過去にがんばった貯金がある人が有利なのは当たり前なんです。

項目を挙げはしたものの、多分かいつまんで勉強するのは難しいので、下記のような本で勉強すると早いと思います。 定評のある本なので、中学英語は大丈夫だよ、という方にもより英文法をマスターするためにお勧めです。
末尾に紹介しているブログでもお勧め書籍がいくつか載っているので、そちらを試すのも良いかもしれません。
大きめの書店に行くとおおむね良書がおすすめされているので、そちらで選ぶのも良いですね。

どんどん話すための瞬間英作文トレーニング (CD BOOK)

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ハートで感じる英文法―NHK3か月トピック英会話 (語学シリーズ)

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個人的には参考書はせいぜいみっつくらいに抑えておき、なんども繰り返し、暗記するレベルくらいまでやった方がいいと思っています。
たくさんの参考書をかいつまんで勉強する人もいますが、習得の効率はあまり良くないような気がしています。

また、もし中学英語の教科書が手に入るようであれば、こちらも良いかも。
私は試したことがないので効果のほどは良く分かりませんけれど。

とはいえモチベーションが一番大事

英文法やらないと留学するのは無駄、という訳じゃありません。あくまで最大効率を考えるとこの辺習得済みの状態でフィリピンに来るのが理想的という意味です。
英文法って結構地道な努力なので、この辺りの勉強にモチベーションを維持できる人はそう多くない気もします。出来る範囲でやっておくといいかな、と思います。

こんなんやらないといけないなら留学とか無理、て感じるならぶっちゃけやらなくてもいいです。
英文法いっさいやらずに留学しても、期間によるものの得るものは大きいですし、そこそこ話したりできるようにはなります。
英文法の勉強で挫折して留学も英語習得も断念するより、とりあえず留学してみっかくらいの気持ちでもいいと思います。
やってみたら「英文法超大事」って実感すると思いますけど、その後に改めて英語の勉強の仕方を考えてみるのもまた良いかも、と思います。
回り道かもしれないけど、必要があると認識して勉強した方が良く身に付きますしね。

私は結局留学前にまともに時間とれなくて勉強できなかったんですが(言い訳)、おさらい程度にもやっておくとかなり違ったよな、と実感しています。
中高生時代に英語の勉強はがんばっていたので、留学を通して一通り思い出してはいるのですが、あらかじめ勉強しておけば思い出すまでの時間で他のことできた訳ですしね。

単語だってもちろん大事

優先順位で英文法の方が上じゃないか、と思うものの単語力はやはり超重要なのは変わりません。
先に書いたような英文法の勉強をすると多少の英単語を自然と覚えることになりますが、中学英語で習う単語数って正直英会話基準ではちょっと足りないみたいなんですよね。
中学卒業時点でおおよそ 1300 語程度、高校卒業時点で 4000〜6000 程度になるようです。
実際には書いて覚えているつもりの単語でも英会話となるとなかなか出てこないもので、覚えているはずの単語のうち3割程度会話で使えればいい方かな、というのが実感としてあります。

上に挙げた中学英語の英文法を学び終えたら、中学の英単語、その次に高校の英単語を学ぶと良いかもしれません。

さいごに

まとめるとフィリピン留学の前に、英文法を勉強しておいた方がいいよ、という話です。
そういう意味で以下の記事は結構同意するところが多いです。

英語ができるようになりたいなら、とにかく受験英語をやれ

この記事に完全に同意する訳ではありませんが、変に新しめの教材試すより受験英語やった方がいいってのは確かだと思います。

留学した際にどんな授業を学校でやるかというのは学校によって、そして先生によって違うとは思いますが、意外に日本の英語の授業みたいなこともやります。
具体的に言うと、VOA のような長文読解を普通にやります。

長文を音読して発音の不備を先生が指摘。
長文の各段落を英語で要約。
長文の理解力を試すための設問に回答。
文中の単語やイディオムの理解を深めるための英作文作成。
文中の単語やイディオムの理解力を試すための設問に回答。
文中の事柄について英語で意見を述べる。

Reading とか Speaking とか銘打たれた授業ってだいたいどこの学校にもある気がしますが、こんな構成だったりします。
割と高校英語の Reader や Grammar 的。
単純にひたすらしゃべるだけじゃないんですね。
他の授業も、意外に話すだけじゃなく書かせる授業は多いです。
思えば以前にやっていたスカイプ英会話でも、先生によっては結構文法的な解説に時間を割いていました(品詞の単語あまり知らなかったので意味取るの大変でした)。
書いて覚えるって面もあるのだろうと思いますが、多分普通の人が思うよりフィリピン留学では書く授業が多いので、英文法分かってないとなかなか苦しいだろうと思います。